音律ピアノは、3つの音律(平均律、純正律、ピタゴラス)を同一画面上で同時に確認することができるアプリです。
ピアノアプリはたくさんありますが、音律を変えられるアプリはなさそうなので作ってみました。
注1)音律の確認が目的のため、音源は正弦波のみです。
注2)ソフト的には10個の音を同時に鳴らすことができますが、機種(ハード)の制約によりもっと少なくなることがありますので、ご了解願います。
注3)無料版はアプリ起動後、30秒のみ動作します。(再起動すれば、また30秒使えます)。有料版は無制限で使用できます。
この有料版を使用する前に、無料版で動作をご確認願います。
使い方)
鍵盤は上の段から、平均律、純正律、ピタゴラス音律となっています。尚、全体のピッチや基準音及びボリュームは、画面の右上のオプションアイコンをクリックして変更することが出来ます。
・各音律の音階を鳴らして、その微妙な違いを感じてみましょう。
純正律は暗めに、ピタゴラスは明るく華やかに感じます。平均律はその中間です。
・各音律の和音を鳴らして、その響きを確認しましょう。
純正律の主要3和音(ドミソ、ファラド、ソシレ)はきれいにハモりますが、他の和音(例えばレファラ)は非常に濁ります。
・音律間の微妙な音の違いを確認しましょう。
基準音同士は完全に一致しますが、第2,3,6,7音はかなり異なります。第4,5音は微妙に異なりますが、人間に耳で識別するのは殆ど不可能だと思います。同時に鳴らすとわずかな唸りが生じる程度です。
youtube動画にてデモを行っていますので、ご覧ください。
尚、当アプリでは、純正律として5limit純正律を採用しています。
また、音源は正弦波を利用していますが、端末の筐体で干渉するため倍音が混ざることがあります。
独り言
1.『純正律は転調ができないから実用的でない』という言い回しがありますが、実は2度の和音が極めて汚いため、転調どころか一つの調ですら実用的な演奏が不可能です。
2.純正律と純正の和音(各音程間が純正である和音)とは意味が全く違います。
この2つの言葉をごっちゃにして使用しておられる方がたくさんおられるようで、議論がかみ合わないことが多々あるように感じます。
純正律というのは音律の一つでしかなく、主要三和音は純正ですが、そのしわ寄せを受けて他の和音は汚くなります。
よく合唱等で『純正律で歌っている』といった表現を見かけますが、これは『和音を純正に取って』と言うべきと思います。さらに言えば、そもそも人間の声で各音律の微妙な違いを表現できるほどの能力はそもそも無いので、『どっちかと言えば、純正っぽく歌うように心がけている』という表現がより正しいかと思っています。
3.そもそも純正律という表現の『純正』という部分が誤解の元のように思います。メーカーが作った純正品みたいなイメージで、何だかよくわかんないけどすごい音律、といった捉え方がなされているのだと思います。純正律というのは、主要3和音を純正にして他の和音にそのしわ寄せを持って来た和音にすぎません。主要三和音のみで演奏する曲であれば、うなりの無い純粋(?)な演奏が可能かもしれませんが、その様な曲が美しいとはとても思えません。単に味気ないだけだと思います。
4.いろんな音律を区別して演奏できるのは鍵盤楽器だけであり、声楽はもとより、ピッチをリアルタイムに変更できる管楽器や弦楽器に於いてもそれは不可能と考えています。せいぜい出来て、曲の途中の属和音とか曲の最後の主和音(長3和音)の第3音をちょっと低めに取ろうね、くらいだと思います。
※当アプリを利用して、音律に関する正しい理解が広がることを切に願います。